創立60周年記念事業
記念式典 記念コンサート
4月29日には、来賓の方々や保護者の皆さまもお招きして「創立60周年記念式典·記念コンサート」を実施しました。テーマは「志高く」ということで、これまで支えてきてくださった方々に敬意と感謝を込め、新たな未来の創造に大きな希望と夢を持って志高く取り組んでいくことを誓いました。また記念コンサートでは、新校歌「彼方へ」の作曲者でピアニストの小原孝さんをお迎えし、軽妙なトークと多彩な楽曲を楽しみました。これからも“地域の期待に応え、地域から信頼される学園”として歩んでいくための素晴らしい節目になりました。
■ 創立60周年記念コンサート
曲目
- 1.旅立ちの日に~千本桜
- 2.学園讃歌~彼方へ(前校歌から現校歌へ)
- 3.カッチーニのアヴェマリア
- 4.エリーゼのために/ベートーベン
- 5.幻想即興曲~別れの曲/ショパン
- 6.アンパンマンのマーチ
- 7.ボレロ/ラヴェル
小原孝さんプロフィール
神奈川県川崎市生まれ。クラシックギタリストの父の影響で6歳よりピアノを始める。
1986年、国立音楽大学大学院を首席で修了。クロイツァー賞受賞。1990年CDデビュー。ジャンルにこだわらない音楽性が共感を呼び、全国各地で1000回を超えるステージを披露。演奏のみならず作詞、作曲、編曲などマルチな音楽活動で活躍中。数多くのテレビ番組やラジオにも出演。
2006年には「第17回奏楽堂日本歌曲コンクール」において2年連続3度目の優秀共演賞受賞。作曲部門で「中田喜直賞」をW受賞。
2007年、尾道中学校・高等学校 新校歌「彼方へ」作曲。
2013年にはサントリーホール大ホールにおいて「小原孝ピアノリサイタル~逢えてよかったね 友だちプロジェクト」を開催。その後、東北でも「弾き語りフォーユー」コンサートと題して同プロジェクトを開催。
2015年には東京文化会館大ホールにおいてCDデビュー25周年記念リサイタルを開催。同年、川崎市文化賞受賞。1994年4月よりN H K-FM「弾き語りフォーユー」パーソナリティ担当 現在放送中。
生徒の感想(抜粋)
- ・本格的なピアニストの演奏を聴くことができ、心をゆったりと落ち着かせることができました。
小原先生ありがとうございました。 - ・聴いたことのあるメロディーでもたくさんの表現方法があり、こんなになめらかに表現できるのがすごいと思いました。
- ・どの曲にも深い意味があり、特に「エリーゼのために」は感銘を受けたので、私も苦手なところを練習しようと思いました。
記念講演会
■ 創立60周年記念講演会
5月25日の創立記念日には、アルピニストの野口健さんを講師にお招きして「創立60周年記念講演会」を開催しました。演題は「目標を持って生きることのすばらしさ」です。『登山家・冒険家として様々な現場に出向き、見たものや感じたこと。そこから活動の幅が広がり、いま伝える活動を行っていること。美しいものの裏にあるもの。幸せを成り立たせる裏にある努力。』そういった内容を、世界を渡り歩いたからこその視点で語っていただきました。生徒からは感動と驚きの感想が多数寄せられ、改めてこれからの生き方を考える有意義な時間となりました。
野口健さんプロフィール
1973年8月21日、アメリカ・ボストン生まれ。植村直己氏の著書『青春を山に賭けて』に感銘を受け、登山を始める。1999年、エベレストの登頂に成功し、7大陸最高峰世界最年少登頂記録を25歳で樹立する。
2000年より「富士山が変われば日本が変わる」をスローガンに富士山清掃活動を精力的に行う。2006年からは富士山・エベレスト同時清掃活動を開始。2001年、シェルパ(登山隊の案内人・荷役人)の遺族を補償するために「シェルパ基金」を設立。シェルパの子女への教育援助を行っている。2003年、次世代の環境問題を担っていく人材育成のため「野口健環境学校」を開校。2008年、ネパール・サマ村の子どもたちのために学校を作るプロジェクト「マナスル基金」を設立。
2015年4月、ネパール滞在中に大地震に遭遇。すぐさまヒマラヤ復興支援を決意、「ヒマラヤ大震災基金」を立ち上げ、村人の心の拠り所でもあるゴンパ(寺院)の再建も進められている。
2016年4月、「熊本地震テントプロジェクト」を立ち上げ、熊本県益城町にテント村を開設。この経験を元に、自治体などに向けて災害時の避難所のあり方についても提言を続けている。
講演会感想(抜粋)
- ・何度もチャレンジして失敗しているのに、諦めず登り続けた心の強さに感動しました。危険と隣り合わせの山で、環境を守るためにゴミ拾いをしたり、清掃のための登山をしたりする姿はかっこよかったです。
- ・登山があまりにも死と直結した命がけなものであることを知り、衝撃を受けました。
私もこれからコツコツと目標に向かって努力を積み重ねていこうと決心しました。 - ・「自由にするのは良いけれど、責任を持たなければいけない」という言葉が、自分の心にぐっと刺さりました。
また、先輩が亡くなった時のエピソードがとても衝撃的でした。 - ・いつでも目標を高く持ち、絶対に諦めない姿勢が伝わってきました。すべてがうまくいくわけではありません。
でも努力をすれば結果が出てきます。私も日々の努力を怠らず、部活に励みたいと思います。
公開研究会
創立60周年を記念し、11月3日、本校初の公開研究会を開催しました。ご多用にもかかわらず、尾道市教育委員会の皆様方や市内小中学校の校長先生はじめ、各校の先生方、地域の皆様、保護者の皆様に多数ご参加いただきました。
公開研究会では、英数国をはじめ、本校で導入している「7つの習慣J®」や学校設定科目である模擬国連の授業など6つの公開授業を実施しました。その後、全体会を行い、研究概要と授業実践の狙いと効果を報告し、全員で共有しました。続いて、本校の授業実践・研究に指導・助言をいただいている広島大学大学院教育学研究科の木下博義准教授から、丁寧なご講評をいただきました。さらに記念講演では、国の教育施策の立案に長年にわたって深く関わっておられる日本体育大学大学院教育学研究科長の角屋重樹教授から「新学習指導要領とこれからの授業」の演題でお話いただきました。
■ 60周年記念事業 公開研究会
主題
「主体的学修者を育てる授業」の創造 ~アクティブラーニングの学びを通して~
内容
(1)公開授業 ①中学校・道徳(7つの習慣J®)
(1)公開授業
- ①中学校・道徳(7つの習慣J®)
- ②中学校・国語
- ③高等学校・数学(数学B)
- ④高等学校・理科(科学と人間生活)
- ⑤高等学校・英語(コミュニケーション英語Ⅰ)
- ⑥高等学校・総合(学校設定教科・模擬国連)
- (2)全体会 研究概要報告・意見交換 等
- (3)記念講演会 講師 角屋重樹 先生(日本体育大学大学院教育学研究科長)
創立60周年記念式典 謝辞
理事長 加藤 晴彦
鮮やかに萌え出ずる若葉に希望の光を感じる佳き季節となり、本日ここに創立60周年記念式典を挙行いたしましたところ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、かくも盛大に執り行うことができますことは、誠に光栄で心より厚くお礼を申し上げます。
歴史を振り返りますと、60年前、「郷土の子弟は郷土の手で」と新たな高校を求める声が高まり、尾道市小中学校PTA連合会が母体となって一大市民運動を巻き起こし、昭和32年4月、栗原の地に尾道高校が誕生いたしました。
開校後は、地域の期待に応える学校づくりに邁進し、普通科の他に商業科・機械科・造船科・電気科等の実業科を抱える総合的な学校として発展するなか、クラブ活動にも力を注ぎ、特に昭和42年創部の水泳部は、金メダリストを含め多くのオリンピック選手を輩出して「水泳の尾高」の名を全国に轟かせました。
また平成12年度から「第二の建学」ともいうべき一大学園改革に取り組み、その結果、平成18年には尾道中学校を設立して中高一貫教育を開始、平成21年には、広島県と尾道市の全面的なご支援によって、この向島への総合移転も果たし、施設設備はもとより、通学の利便性も大きく改善されるところとなりました。
目下、この新天地において、授業を革新するアクティブラーニングの研究と推進、「7つの習慣J®」等によるリーダーシップ教育の充実、台湾やニュージーランドとの交流を柱とするグローバル教育の充実など、教育のレベルアップに取り組んでおります。
今や、少子化は留まるところを知らず、私学経営は困難さを増す一方ではありますが、先達の熱い想いを受け継ぎ、尾道市内唯一の私学として、公教育の一翼を担い続けるべく、精進を重ねてまいります。
関係各位におかれましては一層のご理解とご支援を賜りますようお願いを申し上げます。
校長 三藤 義郎
本日、ご臨席賜りました多くのご来賓の皆様に、あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。
昭和32年4月、広島県尾道高等学校として、新入生429名、教職員23名で産声をあげて以来、尾道学園は、このように60周年を迎えることができました。
60周年を迎えて私たちが輝いているとするならば、「松風かをる のぞみが丘に 燦たる学園 真理の道を 拓くと集へる 尾高われら」と当時の校歌が歌う通りに、尾道学園に集うた先人、幾多の学園役員、歴代の校長、教職員、更には23,000人にものぼる卒業生の皆様、諸先輩たちの営々とした努力、それを支えてくださった広島県、尾道市をはじめとする各界からのご支援、それぞれの尾道学園とのかかわりにおいて放つ光によって私たちは輝かされてあるのだと改めて認識し、皆様方、関係各位に深くお礼を申し上げる次第です。
さて、中国の古典「管子」から出来たといわれる格言に「十年の計画なら樹木を植えるのが良い。百年の計画なら、人を植える、つまり人間を育成するのが良い」とあります。人間の育成、教育の値打ち、評価には百年かかる。目先にとらわれず、長期的な展望にたち、高い志を育てることが肝要であるとの意味と解釈されます。
60周年を迎えた私たちは、これを百周年への折り返しと受け止め、これからも、この地域になくてはならぬ特色ある教育を展開できる学校を目指し、更なる進化をもとめて、新しいコース編成をはじめ、「7つの習慣J®︎」やオリジナルなグローバル教育の推進など尾道学園ならではの豊富な教育プログラムを開発・活用し、生徒それぞれのこれまでをふまえ、一層豊かなこれからをきりひらく確かな学力と豊かな人間性、更に大きな夢と高い志を育むことに邁進いたします。
「志高く 進むわれら 行こう 瞳も晴れやかに 若き夢 満ちる尾道」
校歌が歌うこの景色を一層確かな現実とすべく、更に精進いたします。
結びに、皆様方に今後とも倍旧のご指導、ご支援をいただくことをお願い申し上げて、尾道学園60周年、御礼の言葉とさせていただきます。