TOP>尾道学園事務局 創立50周年記念事業 式典式辞

式  辞
  
薫風爽やかな佳き季節となり,本日ここに学校法人尾道学園創立50周年記念式典を挙行いたしましたところ,ご来賓各位におかれましては,公私ともご多忙のところ,多数のご臨席を賜り,教職員および在校生とともに式典を執り行うことができますことは,誠に光栄であり,心より厚くお礼を申し上げます。

さて,歴史を振り返りますと,戦後のベビーブームで児童生徒数が急増する中,地元の公立高校に進学できない生徒は,他市の高校に苦労して通学するか,不本意ながら就職するか,この二者択一を余儀なくされておりました。

そこで,昭和31年,「郷土の子弟は郷土の手で」と地元に私学の高校を求める市民の声が高まり,初代理事長を務められた金尾馨氏が率いる尾道市小中学校PTA連合会が母体となって,PTA会員が簡易保険証書により個人借入をした資金を集めて学校設立資金に充てるという独特の方法を編み出すなど,まさに一大市民運動を巻き起こした結果,学校法人尾道学園が設立され,翌昭和32年4月1日,広島県尾道高等学校が開校いたしました。

これは,当時の関係者の熱意とご努力がもたらした快挙と言うべきものであり,ここにあらためて深甚なる敬意を表する次第であります。
開校後も,新たな学校づくりに邁進し,普通科のほかに商業科・機械科・造船科・電気科等の実業科を抱える総合的な学校として発展し,地域の人材育成に貢献してまいりました。

加えて,クラブ活動にも力を注ぎ,特に,昭和42年創部された水泳部は,インターハイ優勝9回,2位2回という不滅の成績を収め,金メダリストを含め多数のオリンピック選手を輩出するなど,全国に「水泳の尾高」の名を馳せ,地域の誇りと高い評価を戴きました。

こうした輝かしい歴史を持つ尾道高校でありましたが,平成元年をピークとして広島県内の中学校卒業者数が減少に転じ,いわゆる少子化の時代に突入いたしますと,尾道高校の生徒数も年々減少するところとなり,学校経営は様々な困難に突き当り,存亡の危機ともいうべき状況になってまいりました。

そこで,平成12年度から,学園改革に着手することといたしましたが,それは,新生尾道学園・新生尾道高校を目指した「第二の建学」ともいうべき一大改革でありました。

新たな学園の基本精神を定めて,将来構想を策定し,組織を刷新して,財務体質を改善し,教育活動のシステム全体を変革するという取り組みに,すべての理事者・教職員はもとより,同窓会や保護者にも参画を求め,関係者が一丸となって推進してまいりましたが,その成果は,近年,随所に現れはじめたと自負するところであります。

そして,ちょうどこの50周年を期に,未来の夢を秘めた,新たな希望の種を,二つ蒔くこともできました。

そのひとつは,尾道中学校を開校して,新たに特色ある中高一貫教育への取り組みを開始したことであります。まだまだ小さな芽を出したばかりでありますが,これから大きく立派に育てていくためにベストを尽くす所存であります。

いまひとつは,広島県および 尾道市 の全面的なご支援とご協力のお陰によって,県立工業高校跡地への移転の目途も立ち,最終決定を待つばかりになったことであります。これが実現すれば,現地での新校舎建設と併せ,長年の課題であった教育環境の整備を大きく前進させることができるため,理事者および教職員一同,新天地での新たな未来の創造に,大きな希望と夢を持っており,これまでご尽力をいただいた関係の皆様には,この場を借りまして,あらためて深く感謝し,お礼を申し上げます。

嘗て, 尾道市 民の熱い想いとご尽力によって火を灯された, 尾道市内唯一の私学である学校法人尾道学園尾道中学校・高等学校は,この地域における極めて貴重な財産であります。

設立から五十年を経た今も,これから先の未来も,公教育の一翼を担う私学として,この地域になくてはならぬ特色ある教育を提供するという大きな使命を担い,成長し続けられるよう,精進を重ねてまいる所存であります。関係各位におかれましては,一層のご理解とご支援を賜りますよう,お願いを申し上げます。

最後に,本学園の基本精神をあらためて宣言し,結びとさせていただきます。

私たちは「地域の期待に応え,地域から信頼される学園」として,新しい時代に「志と誇りを持って,いきいきと生きる人間」を育成します。

平成19年5月25日

学校法人尾道学園 理事長 三宅敬一